![]() | ケータイ「万能」フランス語文法 久松 健一 駿河台出版社 2001-07 |
この本の特徴は、ずばり情報検索の利便性にあります。
つまり、必要最低限の必須文法が、見開きで簡潔にまとめられているため、学習の途中で分からないところがでてきた際に、ちょうど辞書を引くような感覚でさっと調べることができるのです。
わたしは「新・リュミエール」を使って文法の基礎固めをしましたが、その後、仏検対策用の問題集を学習していて、ちょっと調べものがしたいときには、「新・リュミエール」ではなく、たいていこちらの本を参照しました。
なぜなら、この本は、一覧性にとてもすぐれているため、情報を検索しやすいからです。学習の途中で、わざわざ分厚い「新・リュミエール」を開くのは億劫です。
また、仏検受験まえに暗記したい項目が出てくると、この本の該当ページを縮小コピーし、それを目に付くところに張るようにしました。本書は、覚えるべきことが非常に簡潔に整理されているので、たいへん記憶がしやすいのです。
一方で、この本は、ゼロから体系的に文法を学習していく場合のツールとしては不向きです。なぜなら、情報が簡潔にまとめられすぎているため、文法の初学者がそれだけの説明で理解するのは困難だからです。
やはり、初学者が体系的に学習するツールとしては、レジュメのようにそっけない説明の本書より、饒舌に説明をしてくれる「新・リュミエール」のような文法書が適しています。
要は、どのような目的で使うかによって、この本の価値を十分に引き出せるかが決まるといえるでしょう。
内容面は、さすがフランス語関連の参考書をたくさん執筆されている久松先生が書かれているだけあって、非常に充実しています。
とりわけ、「仏検合格のための文法基準目安表」は、優れものです。
これは、どのページまで進めば、仏検の合格率がどの程度になるかを示した表なのですが、仏検の準備をしている際に、とても参考になっただけでなく、あそこまでいけば合格できるんだ、という励みにもなりました。
また、「英文参照・速攻文法整理」も、秀逸です。
これは、それぞれの章の前で、文法の重要ポイントを英語の例文と照らしながら展望してくれるもので、それまで学んできた英語との対比によって、スムーズな理解を促進してくれるものです。類書にはない、この本の特徴のひとつにあげられます。
ただひとつ、この本の欠点は、発音を扱う第1章をのぞいて、発音がカタカナ表記である点です。全章を発音記号で統一してほしかったと残念でなりません。まさに玉に瑕(きず)です。
それ以外は、とても満足しており、今でも文法事項を調べる際のトップ・ツールです。
(準拠問題集の「フランス頭の基本をつくる文法問題集」は、こちら)
