2007年03月14日

 33歳からフランス語の独学を始めた
 わたしに勇気を与えてくれた1冊



 
63歳・東京外語大3年 老学生の日記63歳・東京外語大3年
老学生の日記



坂本 武信
産経新聞出版



 30歳を過ぎてから、うっかりフランス語などに手を出してしまったわたしを、時おり悩ませていたのが、いまさら、こんな風にフランス語の独学をコツコツ続けていっても、本当にモノになるのだろうか、という漠然とした不安でした。

 もうちょっと若いときに、フランス語と出会っていれば・・・。

 そんな不安を、見事なまでに吹き飛ばし、たくさんの勇気を与えてくれたのが、この「63歳・東京外語大3年 老学生の日記」という痛快な本でした。

 本書は、59歳で会社を退職してから、東京外国語大学に入学し、そこで、ゼロからポーランド語を学び始めた、坂本さんという方がお書きになったエッセーです。

 全体は、大きく3部に分かれていて、第1部が大学生活、第2部がポーランドでの生活、第3部がその他、という構成になっています。

 何よりわたしを勇気づけてくれたのは、59歳という年齢で、まったくゼロから始められた坂本さんが、あれよあれよというまに、いっしょにスタートしたはずの現役大学生も真っ青になるほど、ポーランド語を上達させていく、歴然たる事実です。

 33歳からフランス語を始めたって、ぜんぜん遅くなんかない、わたしだって、まだまだやれる、と元気づけられました。

 と同時に、これまで、心のどこかで、年齢を言いわけにしてきた自分を、とても恥ずかしく思いました。


 
63歳・東京外語大3年 老学生の日記63歳・東京外語大3年
老学生の日記



坂本 武信
産経新聞出版



 ところで、坂本さんがポーランド語を学ぼうと思われたきっかけは、わたしがフランス語を始めたきっかけと同じくらい、あるような、ないような、あやふやなものです。

 とくに、大使館で行われた弁論大会で、6人のポーランド人審査員を前に、坂本さんが行ったスピーチは傑作でした。

 「私は58歳のとき大病をして死にかかり、退職したが何もすることがなかった。その時、たまたまインターネットで大学のポーランド語社会人講座を見つけた。それがポーランド語に出会ったきっかけで、別にポーランド語でなくてもよかった。」

 とりわけ、最後の「別にポーランド語でなくてもよかった」というフレーズに、わたしはしびれました。

 というのは、かつて当ブログで、「行き先がローマだったら、今ごろ、イタリア語を勉強していたかも知れません」と書いたことがあったように、「別にフランス語でなくてもよかった」という思いは、わたしも、まったく同じだったからです。

 そして、実は、この動機のいいかげんさも、33歳という年齢とともに、わたしが自身のフランス語の独学を危ぶむ、隠れた要因のひとつでした。

 しかし、そんな、とかく弱気になりがちなわたしに、きっかけなんて、何でもいいんだ、ということを、身をもって坂本さんが証明してくれました。

 ちなみに、先ほどのスピーチにはちゃんと続きがあって、決して、ポーランド人審査員の心証を損ねかねない、あのフレーズを言い放ったまま、坂本さんがスピーチを終えたわけでないことは、坂本さんの名誉のためにも、ひとこと付け加えておかねばなりません。

 いずれにせよ、何となく大学でポーランド語の学習を始めることになった坂本さん。

 しかし、いつのまにか、先述の弁論大会をはじめ、文化祭のポーランド語劇に老医師役で出演されたり、はたまた、ポーランドに何度もお出かけになったりと、おそらくご自身でも予想されていなかったほどに、活躍の場を大きくお広げになりました。

 そんな坂本さんのご様子を拝見するにつけ、外国語を学ぶ意義というものを、改めて考えさせられたように思います。

 さてさて、ここはひとつ、われわれも、フランス語をしっかりと学んで、自身の世界を広げていこうではありませんか。


 
63歳・東京外語大3年 老学生の日記63歳・東京外語大3年
老学生の日記



坂本 武信
産経新聞出版



【 本書の目次 】


はじめに

大学生活


 1 退職そして大学へ


    ・東京外国語大学
    ・入学式
    ・思いもよらぬあれこれ
    ・文化祭
    ・弁論大会
    ・鮮明な記憶

 2 現役学生になる

    ・編入試験
    ・さあ新学期
    ・授業風景
    ・目立ちます
    ・試験
    ・捨てがたい生活
    ・女子学生の涙
    ・親愛なる先生達

 3 若い仲間達

    ・年齢ギャップ
    ・オタク
    ・わたしの進路
    ・服装
    ・遺影
    ・若い仲間達
    ・当世学生気質


わがポーランド


 1 初めてのポーランド語学研修

    ・還暦の青春 サマースクール
    ・ポーランドあれこれ
    ・フランス男の真髄 わが友ガエル
    ・キューピッド

 2 再びポーランドへ

    ・ポーランド基礎知識
    ・ワルシャワの夏
    ・ワルシャワの聖人
    ・よく効くお灸
    ・後日談
    ・後日談パート2
    ・ポーランド式結婚
    ・ポロネーズ
    ・スープ「ジューレック」
    ・鉄道で一人旅

 3 余談

    ・マドリッドの休日 ザビエル氏と
    ・自宅でパエリヤ

 4 三たびポーランドへ

    ・ついに結婚
    ・クシャミとハナミズ
    ・ここだけの話
    ・スイスの青年
    ・深夜の冒険
    ・見習い修道士
    ・若い外交官


老学生の目


 1 賞味期限

    ・ご用心
    ・出世払い
    ・木登り
    ・オマジナイ
    ・同窓会
    ・賞味期限

 2 よ〜く考えると

    ・ストレス
    ・マンガ
    ・化粧
    ・職業欄
    ・松竹梅
    ・続 松竹梅

 3 妻と娘と

    ・夫と妻の間柄
    ・娘から見た老学生


あとがきにかえて

坂本さんのこと 東京外国語大学教授 石井哲士朗


 
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